美容室・サロンのカスハラ対策

公開:最終更新:カスハラ対策チェック

結論

美容室やサロンも、2026年10月1日から厚生労働省の指針の5つの措置が義務です。スタッフが数人の店でも、方針と対応の仕方を決めて全員に伝え、相談先を決めておく必要があります。

サロンは1対1の施術が長く続き、指名客との距離も近くなりがちです。性的な言動や個人的な誘い、SNSへの悪評投稿をほのめかす脅しは、指針がカスハラの例として挙げているものです。「仕上がりへの正当なご意見」と「過度な要求」を分ける基準を、店で決めておくことが大切です。

サロンならではの難しさ

  • 1対1の時間が長い:施術中は席を外しにくく、他のスタッフが気づきにくい。
  • 指名制:同じお客様を同じスタッフが担当し続けるため、個人的な関係を求められやすい。
  • 仕上がりの評価が主観的:「イメージと違う」という申し出のどこまでが正当なご意見かの判断が難しい。
  • 口コミ・SNSの影響が大きい:悪評の投稿をほのめかされると、スタッフが要求をのんでしまいがち。

正当なご意見とカスハラの線引き

指針は、社会通念上許容される範囲のご意見は「正当な申入れ」でありカスハラではないとし、要求の内容と、要求の手段・態様の両面から判断するとしています。サロンでは、次のように考えると整理しやすくなります。

正当なご意見として対応するカスハラにあたり得る
仕上がりが注文と違うので、店の規定の範囲で直してほしい規定を大きく超える回数のやり直しや、施術と関係のない金銭の要求
施術中の痛みや不快感を伝えるスタッフの人格を否定する暴言、大声での威圧
予約や料金の説明を求める同じ説明を長時間、何度も求めて拘束する
口コミに率直な感想を書く悪評の投稿をほのめかして要求をのませる、スタッフの写真や個人情報を投稿する

指針は、性的な要求、スタッフのプライバシーに関わる要求、盗撮や無断での撮影も、カスハラの例として挙げています。

店で決めておくこと

  • やり直し・返金の規定:期間や回数を決め、受付や予約サイトにも明示しておくと、判断の基準になります。
  • 個人的な連絡先・誘い:スタッフ個人の連絡先は教えない、店の外で会わない、をルールとして決め、断るときは「店の決まり」として伝えます。
  • 担当の変更:指名客からのハラスメントがあった場合、担当を変える、予約を受けない、を誰が判断するか。
  • 施術を中止する基準:性的な言動や暴言があったら施術を中止してよい、とスタッフに伝えておきます。
  • 撮影:店内やスタッフの撮影は許可制にし、掲示しておきます。
  • 1人で営業する時間:オーナー1人のサロンや、閉店間際に1人になる時間の手順(1人勤務のときの対応)。

言い回しの例

  • 「ご希望と違う仕上がりになってしまい申し訳ございません。当店の規定で、◯日以内であればお直しをいたします。」
  • 「スタッフ個人の連絡先は、お伝えしないことになっております。」
  • 「そのようなお話が続く場合は、施術を中止させていただきます。」
  • 「スタッフの撮影はご遠慮ください。」
  • 「本日はこれ以上のご対応はできません。お引き取りください。」

どこまでを謝るかは、店側に非がある部分に限ります。方針全体の書き方は基本方針の例文と書き方をご覧ください。

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参考資料(一次資料)

  1. 事業主が職場における顧客等の言動に起因する問題に関して雇用管理上講ずべき措置等についての指針(カスハラ防止指針)(厚生労働省告示第51号(令和8年2月26日告示、令和8年10月1日適用))
    https://www.mhlw.go.jp/content/001662625.pdf
  2. ハラスメント防止措置義務規定等における解釈事項について(Q&A)(厚生労働省 雇用環境・均等局(令和8年4月24日、令和8年9月30日改訂))
    https://www.mhlw.go.jp/content/11900000/001695619.pdf
  3. カスタマーハラスメント対策企業マニュアル(令和8年度改訂版)(厚生労働省(令和8年9月))
    https://www.mhlw.go.jp/content/11900000/000915233.pdf

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