1人勤務(ワンオペ)のときのカスハラ対応|厚生労働省Q&A問14
従業員が1人の店舗でも、カスハラへの対処の内容を、その店の実態に応じて決めておく必要があります(厚生労働省Q&A 問14)。
Q&Aは例として、十分に説明しても要求が続く場合に退店を求めたり電話を切ったりすること、犯罪にあたり得る言動は警察に通報すること、本社・本部などに情報を共有することを挙げています。起きた後は、担当の変更や配置転換、心のケアなどの措置も必要です。
Q&A問14に書かれていること
厚生労働省の指針は、カスハラが起きたときの対処の例として「可能な限り労働者を一人で対応させないこと」を挙げています。では、そもそも1人しかいない時間帯はどうするのか。この点に答えているのが、厚生労働省Q&Aの問14です。
カスタマーハラスメントへの対処の内容については、各事業主が、労働者の状況等の実態に応じた内容を定めることが必要である。厚生労働省 Q&A 問14より
そのうえで、従業員が1人の店舗では、次のような対処の内容を定めておくことが考えられるとしています。
- 十分に説明しても、なお要求が繰り返される場合は、一定の時間の経過をもって退店を求めたり、電話を切ったりする
- 暴行、傷害、脅迫など犯罪にあたり得る言動は、警察に通報する
- 本社・本部などに情報を共有する
さらに、従業員が1人の店舗でも、カスハラが起きた事実が確認できた場合は、行為者に対応する担当者の変更、被害者と行為者を引き離すための配置転換、管理監督者などによるメンタルヘルス不調への相談対応などの措置を講じる必要がある、としています。
事前に決めておくこと
| 決めること | 例 |
|---|---|
| すぐ連絡する相手 | 店長の携帯、出られないときはオーナー。連絡先をレジ横に貼る |
| 連絡の方法 | 電話がかけられない状況なら、決めておいた短いメッセージを送るだけでよい |
| 対応を打ち切る目安 | 説明しても同じ要求が続くとき。時間の目安を店で決める |
| 退店を求める言い方 | 下の「その場で使う言い回し」を参照 |
| 警察に通報する基準 | 身の危険を感じたら、時間の目安を待たずにすぐ110番 |
| 店を一時的に閉める判断 | 1人では安全が守れないときは、レジを離れて裏に下がる、店を一時閉めることを認めておく |
| 記録の残し方 | 落ち着いてから、日時・内容・相手の特徴を記録シートに書く。防犯カメラの映像を保存する |
打ち切りの時間について、厚生労働省の企業マニュアルは、話が平行線になってから30分程度、全体で1時間程度といった目安を「例」として示しつつ、各社で設定すべきとしています。時間だけで判断せず、身の危険を感じたら、すぐに通報してください。
その場で使う言い回し
1人のときは、相手を言い負かそうとせず、短く同じことを繰り返すのが基本です。厚生労働省の業種別マニュアル(スーパーマーケット業編)の研修資料にも、次のような言い方が例示されています。
- 「それは、私に対して言っていますか。」
- 「そのように怒鳴られると怖いです。」
店で使う言い回しとしては、次のような形が考えられます。
- (責任者に代わるとき)「私では判断できませんので、責任者に確認します。少しお待ちください。」
- (責任者がいないとき)「本日は責任者が不在のため、この場でお答えできません。連絡先をお知らせいただければ、後日ご連絡します。」
- (打ち切るとき)「これ以上はご要望にお応えできません。お引き取りください。」
- (電話)「同じご説明の繰り返しになりますので、お電話を終了させていただきます。」
- (撮影されたとき)「スタッフの撮影はご遠慮ください。」
本サイトの有料テンプレートでは、店の業種と困っている場面に合わせた言い回しを、レジ横に置ける「現場対応カード」にまとめています。
起きた後の対応
- 本人の安全とケア:まず休ませます。その日のシフトを代える、早く帰すなどを判断します。
- 事実の確認と記録:本人から話を聞き、防犯カメラや録音があれば保存します。
- 同じ相手への備え:同じ人が来る時間帯に1人勤務にしない、担当を代えるなど、Q&A問14が挙げる措置をとります。
- 必要なら悪質な場合の対処:警告や出入りのお断りを、決めておいた判断者が決めます。
- 全員への共有:個人が特定されないよう配慮しながら、起きたことと対応を共有し、マニュアルを見直します。
相談した従業員のプライバシーを守ること、相談したことを理由に不利益な扱いをしないことも、あわせて徹底してください(指針4⑸)。
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- ハラスメント防止措置義務規定等における解釈事項について(Q&A)(厚生労働省 雇用環境・均等局(令和8年4月24日、令和8年9月30日改訂))
https://www.mhlw.go.jp/content/11900000/001695619.pdf - 事業主が職場における顧客等の言動に起因する問題に関して雇用管理上講ずべき措置等についての指針(カスハラ防止指針)(厚生労働省告示第51号(令和8年2月26日告示、令和8年10月1日適用))
https://www.mhlw.go.jp/content/001662625.pdf - 業種別カスタマーハラスメント対策企業マニュアル(スーパーマーケット業編)・研修資料(厚生労働省「あかるい職場応援団」(令和7年3月))
https://www.no-harassment.mhlw.go.jp/countermeasure/customer_hara_industry - カスタマーハラスメント対策企業マニュアル(令和8年度改訂版)(厚生労働省(令和8年9月))
https://www.mhlw.go.jp/content/11900000/000915233.pdf
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